革を手縫いするとき、針を通す穴を開けるために使うのが菱目打ちです。先端がひし形になっているため、革に細長い穴が開き、糸が斜めに並んだきれいな縫い目に仕上がります。使い方は難しくありませんが、少し意識するだけで穴のそろい方が変わります。
菱目打ちにはいくつか種類がある
菱目打ちは、刃の本数によって使い分けます。1本目は、角や短い距離の穴開けに便利です。2本目はカーブ部分や細かな調整に向いています。4本目や6本目など、刃が複数あるものは、直線部分に等間隔で穴を開けやすいのが特徴です。
初めて使うなら、複数本タイプと1本タイプをひとつずつ用意すると作業しやすくなります。作品の大きさや縫う場所に合わせて選ぶとよいでしょう。
穴を開ける前に準備すること
まず、革の端からどのくらい離して縫うかを決め、線を引きます。この線は「菱目打ちのガイド」となるもので、革の端から近すぎると裂けやすく、遠すぎると全体のバランスが変わります。小物なら、端からおよそ3〜4mmほどを目安にすることが多いですが、革の厚さや作品のデザインに合わせて調整してください。
作業台には、ゴム板や専用のマットを敷きます。硬い机の上で直接打つと、菱目打ちの刃先や机を傷めることがあります。革の下にクッション性のある台を置くと、音や衝撃も抑えられます。
まっすぐ穴を開けるコツ
菱目打ちは、革に対して垂直に立てて使います。斜めに傾けると、表面と裏面で穴の位置がずれやすくなります。持ち手を強く握りすぎず、刃先がガイド線に沿っているかを確認してから木槌で打ちましょう。
最初から強く叩く必要はありません。革を貫通する程度の力で十分です。厚い革で一度に貫通しにくい場合も、無理に何度も打ち続けず、革の厚みに合った菱目打ちを選ぶことが大切です。
複数本の菱目打ちを使うときは、前に開けた最後の穴に、次の菱目打ちの端の刃を重ねます。これで穴の間隔がそろいやすくなります。カーブでは無理に複数本を使わず、1本や2本に替えると自然なラインになります。
練習するときのポイント
本番の革にいきなり穴を開けるのではなく、端材で試してみましょう。革の厚さによる打ちやすさや、穴の間隔、木槌の力加減を確認できます。穴を開けたら、実際に糸と針を通して、縫い目の見え方も確かめると安心です。
菱目打ちの跡がずれてしまっても、最初から完璧にそろえる必要はありません。ガイド線を丁寧に引き、垂直を意識するだけで、少しずつ安定していきます。
まとめ
菱目打ちは、刃の本数を使い分け、ガイド線に沿って垂直に打つのが基本です。まずは端材で練習し、革と道具の感覚をつかんでから作品に取り入れてみましょう。